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先端モデル動物支援「若手支援技術講習会」を終えて

若手技術講習会実行委員長
金沢大学がん進展制御研究所
大島 正伸

2016年9月14日から17日まで『蓼科グランドホテル滝の湯』にて3泊4日の日程で、文科省新学術領域研究学術研究支援基盤形成「先端モデル動物支援プラットフォーム」による若手技術講習会が開催されました。昨年度までは、がん研究領域の若手研究者を対象とした講習会が開催されていましたが、今年からはがん研究だけでなく、脳・神経科学、発生工学など、生命科学の研究に従事する大学院生(修士課程、博士課程)を含む若手研究者を対象とした講習会を、装いをリニューアルして開催しました。北は北海道から南は鹿児島まで、全国から合計80名の若手研究者が参加し、35名が口頭発表、および45名がポスター発表を行い、参加者全員による発表および活発な討論が行なわれました。さらに、先端モデル動物支援プラットフォームを構成する「モデル動物作製」、「病理形態解析」、「生理機能解析」、「分子プロファイリング」の各支援班の先生方から、技術的な内容を含む先端研究セミナーがあり、モデル動物を用いた研究を行っている、あるいはこれから実施を計画している若手研究者の皆さんには、重要な情報を得る機会となりました。

先端モデル動物支援の総括班を代表して中村卓郎先生(がん研究会がん研究所)から、マウスモデルを使った研究の将来性についての特別講演があり、各セミナーでは、生理機能解析支援班から宮川剛先生(藤田保健衛生大学)、分子プロファイリング支援班から旦慎吾先生(がん研究会がん化学療法センター)、川田学先生(微生物化学研究会)、病理形態解析支援班から上野正樹先生(香川大学)、そしてモデル動物作製支援から伊川正人先生(大阪大学)と大島正伸(金沢大学)が、それぞれ支援に関する技術講習と、それを用いた最新の研究結果が紹介されました。とくに、宮川先生のセミナーでは、「マウスモデルにおける炎症反応は人のそれを再現していない」ことを示した米国からの論文に対して、真っ向からチャレンジして、「マウスモデルの炎症は人のそれを再現している」ことを明らかにし、米国の研究者と紙上ディベートしたエピソードや、がんと精神疾患の間では共通した生体反応があることをモデル動物研究から明らかにしたことなど、多くの参加者を魅きつける発表がありました。また、伊川先生からは、最新のゲノム編集による遺伝子改変マウス作製技術の最新の開発現場の紹介や、「あとひと工夫することで論文のクォリティを上げよう」との経験談を含む貴重なメッセージを発信していただきました。他の先生方にもインフォーマティブなセミナーをして頂き、充実した講習会となりました。また、これらのセミナーの座長は、若手研究者が行い、質疑応答の進め方を経験するいい機会になったのではないかと思います。

若手研究者による口演も、お互いに普段接することがない研究領域の発表にもかかわらず、とても活発な質疑があり、狭い領域にとらわれずに広く生命科学に接して考察するいい機会となったと思います。ポスター発表者には、2分という短い時間での発表を行ってもらいましたが、短時間に研究内容をアピールする準備をすることで、自分の研究をじっくり見つめ直す機会になったのではと思います。講習会では夜までポスター会場を開放して、各ポスターの前では、実行委員と若手研究者が入り混じって(時に座り込みながら)研究に関しての活発なディスカッション場面が多く見られました。また、研究だけでなく、研究者としての進路に関することも含めて、若手の皆さんには諸先輩といろいろな相談、あるいは意見を聞くいい機会が得られたのではないかと思います。

懇親会や八ヶ岳ロープウェイの山歩きなどのレクレーションを通して、参加者どうしあるいは実行委員の先生方との交流が深まったと思います。私もこの講習会を通して多くの知り合いができました。この講習会をきっかけに若手の参加者には研究者交流ネットワーク作りが進むことを期待しています。

今回は、私にとっても初めての実行委員長としての開催であり、不安の中での新装開店となる若手技術講習会の船出となりましたが、プラットフォームの先生方やスタッフの支援により大盛況に終わることができました。この会の準備と運営に関わった実行委員の先生方、がん研究会がん研究所の平野尚子さん、そして金沢大学がん進展制御研究所のスタッフメンバーの皆さんに心より感謝いたします。なお、講習会の様子は添付の写真にてお楽しみください。

平成29年11月3日

実行委員長: 大島 正伸(金沢大学がん進展制御研究所)
実行委員 :
(五十音順)
上野 正樹(香川大学医学部)
清川 悦子(金沢医科大学医学部)
篠原 隆司(京都大学大学院医学研究科)
清宮 啓之(公益財団法人がん研究会)
筆宝 義隆(千葉県がんセンター研究所)
広田 亨 (公益財団法人がん研究会)
藤田 恭之(北海道大学遺伝子病制御研究所)
二口 充 (名古屋市立大学大学院医学研究科)
宮川 毅 (藤田保健衛生大学総合医科学研究所)

受賞者

ベストトーク賞

大塚 正人(東海大学 医学部 基礎医学系)
大澤 毅 (東京大学 先端科学技術研究センター)
間石 奈湖(北海道大学 遺伝子病制御研究所)

ベストポスター賞

近藤 彩乃(東京大学 先端科学技術研究センター)
寺門 侑美(東京大学 医科学研究所 臨床ゲノム腫瘍)
中山 淳 (早稲田大学大学院 先進理工学研究科)

当日の様子


中村卓郎先生(がん研究会がん研究所)

宮川剛先生(藤田保健衛生大学)

旦慎吾先生(がん研究会がん化学療法センター)

川田学先生(微生物化学研究会)

上野正樹先生(香川大学)

伊川正人先生(大阪大学)

大島正伸実行委員長(金沢大学)

金沢大学がん進展制御研究所スタッフメンバーと
実行委員・清川悦子先生(金沢医科大学)

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