「先端モデル動物支援プラットフォーム」の概要

先端モデル動物支援プラットフォーム(AdAMS)
研究支援代表 
武川 睦寛(東京大学医科学研究所)

近年、生命科学研究の分野においては、ゲノム編集、モデル動物作成、生体イメージング、生理機能計測・行動解析、病理・形態解析、網羅的分子プロファイリング、データ・情報科学の導入などに代表される、新たな解析手法・技術が急速に発展するとともに、先端的研究に必要な解析機器も高度化・大型化しており、研究者が個々人でこれらの全てに対応することが困難な状況が生まれています。この様な状況を打開し、我が国の生命科学研究を強力に推進するため、令和4年度から新たに学術変革領域研究の枠組みで『学術研究支援基盤形成』が創設されました。これは、文部科学省/日本学術振興会の科研費で助成されている学術研究に対し、先進的な技術支援やリソース支援等を行って、個々の研究を強力にサポートするとともに、研究者間の連携を図り、異分野融合や人材育成を一体的に推進して、我が国の学術研究のさらなる発展に貢献することを目的とした制度です。

先端モデル動物支援プラットフォーム(AdAMS)は、本制度が展開する「先端技術基盤支援プログラム」の一つとして採択されました。AdAMSでは、中核機関(東大医科研)ならびに連携機関が有する施設・設備や、高度かつ専門的な技術を統合し、学術的価値の高い先端的モデル動物の作製、および解析支援や分子プロファイリング支援を行います。

研究支援の目的

モデル動物を用いた生命科学研究は、試験管や培養細胞を用いて得られた知見や原理が、高度に組織化された個体においても妥当であるか、また、疾患の発症や病態形成にも寄与するかを検証する上で極めて重要です。優れた研究成果を得るためには、的確な遺伝子改変技術・胚操作技術を用いてモデル動物を迅速に樹立するとともに、その表現型を、高水準の技術を駆使してマクロおよびミクロのレベルで解析することが望まれます。本プラットフォームでは、ゲノム編集などの先進的遺伝子改変技術によりモデル動物を作製するだけでなく、モデル動物の生理機能解析、行動解析、病理・形態解析などを統合的に支援します。さらに、動物個体において見出された表現型や異常を、分子レベルで理解するのに必要な網羅的分子探索・分子プロファイリング技術も提供し、個体レベルと分子レベルの研究を繋ぐ支援を行います。

研究者の皆様におかれましては、是非、本支援事業を積極的にご活用いただき、ご自身やグループの研究活動のさらなる発展に役立てるとともに、その成果を世界に向けて発信いただくようお願いいたします。さらに、一般社会に対しても研究成果や内容を発信し啓発活動を行うことで、国民の皆様との科学・技術に関する対話を推進して頂くようお願い致します。

また、本ホームページにアクセスされる一般の皆様には、研究紹介等を通じてわが国における生命科学研究の現状・成果についてご理解を深めて頂き、研究および研究者に対してさらなるご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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