イベント情報

イベント情報

平成30年度先端モデル動物支援プラットフォーム
「成果発表会」報告

成果発表会実行委員長
山田泰広(東京大学医科学研究所)

平成31年1月30日〜31日の2日間、滋賀県琵琶湖ホテルにおいて平成30年度「先端モデル動物支援プラットフォーム」成果発表会が開催された。全国から合計127名の参加があった。今回の成果発表会では、基調講演1題、特別講演2題に加えて、各支援活動班が支援した研究者8名からの研究成果の発表を行った。参加者からは14題の一般口演ならびにポスター70題があり、過去最高の参加者数となり、例年に増して活発な議論が行われた。

1月30日には、開会挨拶に引き続き、神経科学研究領域に関する4題の一般口演発表が行われた。最新成果の発表とともに活発な質疑応答がなされた。その後、生理機能解析成果WSとして五十嵐道弘先生(新潟大学)、菅生紀之先生(大阪大学)からの成果報告が行われた。引き続き特別講演1として石川文彦先生(理化学研究所)からヒト化マウスを駆使した白血病研究についてご講演いただいた。ご自身が切り開いたヒト化マウスの歴史から最新の知見まで紹介いただいた。研究者としてのマインドセットを質問した若手研究者に対して、熱く語られたお姿に心を打たれた。その後、分子プロファイリング成果WSとして末永聖武先生(慶應義塾大学)、秋光信佳先生(東京大学)から研究成果が報告された。引き続き井本正哉先生(慶應義塾大学)により基調講演が行われた。ケミカルバイオロジーが細胞レベルにとどまらず、個体レベルへも応用され、発生生物学研究へと応用展開される様子に圧倒された。懇親会では活発な交流が行われ、特に若手研究者にとっては、シニアな先生や異分野の研究者と交流できる貴重な機会となった。

井本正哉先生
(慶應義塾大学)
石川文彦先生
(理化学研究所)
長澤丘司先生
(大阪大学)

1月31日午前中はモデル動物作製成果WSとして井樋慶一先生(東北大学)、松田恵子先生(慶應義塾大学)からの成果報告の後、長澤丘司先生(大阪大学)による特別講演2が行われた。造血幹細胞ニッチ研究の歴史のみならず、ご自身の研究の歴史についてもご紹介いただいた。幾多の苦難を乗り越えて研究領域を築かれてきたエピソードは、若手研究者のみならず我々にとっても教育的であり、大変勇気付けられる講演であった。その後、70題のポスター発表が行われた。途切れることなく活発な議論がなされ、ポスター会場は熱気に満ちあふれていた。昼食の後は、発生工学やイメージング、がんなど多様な領域から10名の口頭発表がなされた。モデル動物を最大限に駆使した最先端の研究や本プラットフォームでの支援活動の成果が次々と紹介された。その後、病理形態解析成果WSとして、長山聡先生(がん研)、近藤祥司先生(京都大学)から成果報告がなされた。最後に本プラットフォーム総括班の中村卓郎先生(がん研)から、若手優秀発表者に対して表彰が行われ、その後の挨拶で閉会となった。

五十嵐道弘先生
(新潟大学)
菅生紀之先生
(大阪大学)
末永聖武先生
(慶應義塾大学)
秋光信佳先生
(東京大学)
井樋慶一先生
(東北大学)
松田恵子先生
(慶應義塾大学)
長山聡先生
(がん研有明病院)
近藤祥司先生
(京都大学)

受賞者

以下の若手研究者4名を表彰した。 表彰:中村卓郎(がん研究会)

優秀口演賞(1名)

芳野聖子(がん研究会がん研究所)

優秀ポスター賞(3名)

市川朝永(宮崎大学医学部)
中井信裕(理化学研究所脳神経科学研究センター)
與五沢里美(東京慈恵会医科大学医学部)
※50音順


以上のように、今回の成果発表会では、本プラットフォームによる支援活動で得られた数多くの研究成果が報告された。動物モデルを用いた個体レベルならではの研究について、様々な研究領域から最新の研究成果が発表され、本支援活動による研究成果が着実に上がっていることを実感する成果発表会となった。また、多くの若手研究者が熱心な議論を通して交流する姿が印象的であった。本プラットフォームで支援された研究者間の交流を介して、さらに新たな共同研究が始まる可能性を感じさせるものであった。

最後に、成果発表会開催にあたって支援をして頂きました、今井浩三先生、中村卓郎先生をはじめとする文部科学省新学術領域研究「先端モデル動物支援プラットフォーム」総括支援班の先生方、ならびに平野尚子さま、藤田豊子さまをはじめ事務局の皆さまに感謝致します。

会場の様子

Page Top